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【技術情報】有限要素法入門

6.解析計算との連携

電荷の作る電場や、電流や磁化の作る磁場は真空中であれば解くことが出来ます。有限要素法などにより数値的に解く必要があるのは誘電体や磁性体がある場合、これらが電磁場の中で分極や磁化することによって新たな電磁場を発生させるからです。したがって数値解析の結果物質中のこれらの量が求まってしまえばこれを使って解析的な計算によって空間中の電磁場を求めることが出来ます。電磁場は本来無限領域に広がっているのですが、有限要素法などの数値解析では有限の領域を対象としているのでその領域の境界で境界条件の近似を行う場合があります。このような場合境界付近での電磁場の精度は低下します。
ただし解析領域の中心付近では境界から離れているため精度良く結果が得られています。このときこれらの分極や磁化を使って境界付近を評価してやれば精度の高い結果を得ることが期待できます。またこのようにすれば境界より外の電磁場の評価ができます。

結果処理だけではなく地磁気のような一様な磁場の中にあるものや遠方にある電流などが作る電磁場は有限要素法とは別に解いておき、その影響を受けた誘電体や磁性体の作る電磁場だけを有限要素法の対象とすることによって、データの作成の簡略化や精度の向上を行うことが出来ます。
この章ではこのような解析計算の結果をどのように利用すればよいかについて述べます。