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【技術情報】光台通信

その10.2次元自動作成メッシュ機能についてのご紹介

PHOTO-SeriesVer7.2では2次元メッシュ作成機能としてマップドメッシュ、4隅指定マップドメッシュ、デローニ3角メッシュに対応しておりました。これらに加えVer8.0から4分木分割による3角メッシュ機能を新たに追加しましたので、ご紹介致します。
有限要素法を用いた電磁場解析では解析対象となる物質のメッシュ以外に、その周りを取り囲む空間のメッシュまで作成する必要があります。例えば図の様に同期モータの解析ではモータだけではなくそれらをとりこ囲む空間のメッシュを作成する必要があります。

これまでの2次元メッシュ機能ではユーザが解析領域をいくつかの閉領域に分割し、その領域ごとにメッシュを作成する必要がありました。メッシュの粗密を細かく指定できるので意図した精度を得るには非常に有用な機能ですが、定性的な結果を得ることを優先して短時間で解析作業を済ませたい場合は、ある一定の規則で全自動的にメッシュを作成した方が有用であるように思われます。

上記の背景から4分木分割による3角メッシュ機能は、解析対象物と空間をある一定の規則で全自動的にメッシュを作成する機能として追加されました。次にこの機能の基本的な考え方についてご説明いたします。簡単のため作成対象は円とします。まず図の様に定めた領域に対して外側の空間領域を設定します。

この段階では分割領域は1つです。次に分割した領域を4つの領域に分割します。

再度領域4分割し、分割領域を16個の領域に分割します。この段階で作成対象の円の領域の境界線(黄色)を含まない水色の領域が出現します。この領域については分割を止めて、円の境界線を含む他の領域を再度4分割していきます。ある程度分割が進むと下図の様に境界線上では細かな領域が形成され、それ以外の領域では比較的大きな領域が形成されます。

このように領域をある条件で4分割していくことから四分木の名前の由来となっています。形成した領域に対してそれぞれ三角メッシュを作成すると下図の様になります。

4分木の規則で作成されたメッシュは境界の分解能は高いことが分かります。従って境界上で大きく変化するような解析の定性的な判断には有用に使えそうなことが分かります。以上が4分木分割による3角メッシュ機能の基本的な考え方です。
それでは、4分木分割による3角メッシュ機能を利用したメッシュ作成の実例を示します。まず解析対象の境界を表す2次元のデータを作成します。このデータはメッシュ作成のためのインプットデータとなります。PHOTO-GRADE上で線と点の作成機能を使用して作成することもできますし、他のCADツール等で作成したDXF形式のファイルからも読み込んで定義することもできます。

このメッシュは同期モータの磁場解析を想定しています。次にPHOTO-Series上で4分木分割による3角メッシュ機能を起動し下記ダイアログで作成パラメータを設定します。

解析領域の倍数は空間領域の大きさを決めるパラメータです。2つの分割数のパラメータは4分木領域をどこまで細かく設定するかのパラメータです。以上3つのパラメータを調整するだけで空間領域を含めたメッシュを作成を行うことができます。以下本機能を用いて作成した結果となります。

以上、4分木分割による3角メッシュ機能の紹介でしたが、メッシュ作成の手間の軽減はもとより、これから電磁場解析を始める方にも簡単に利用することができます。