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【技術情報】光台通信

その13.外場機能について−6−

これまでは外場を入力として使用しました。(光台通信「外場機能について」の1から5を参照)起電力を計算するための検出コイルを外場の入力コイルと同じように使用することが可能です。今回は検出コイルについて紹介したいと思います。

起電力を計算するにはコイルを貫く磁束の計算ができれば良いので、コイルも空気と一緒にメッシュ分割すれば起電力を得ることができます。起電力は磁束の時間変化で表すことができ、

となります。

しかし、コイルと2次側導体を同時に作成するのが簡単にできない形状やコイルが移動するようなケースでは不便です。

そういった場合、メッシュの整合性を緩和できる外場機能を使用すると簡単に解析することができます。外場の入力コイルと検出コイルは共存できるので、2次側導体と空気のみのメッシュを作成すれば良いことになります。

また、寸法、位置、巻数などのパラメータを入力するだけで、自動でコイルが作成される機能が準備されています。(検出コイルだけでなく、入力コイルも作成可)

渦流探傷(非破壊検査)などの解析で、検出コイルで起電力を得たい場合に有効に使用できます。

では次に簡単な解析例を紹介します。図1に解析対象のメッシュ図を示します。

入力コイルと検出コイルは同じ移動量で動かします。入力コイルには10kHzの電流を流しますので、導体に渦電流が流れます。コイルを移動させると傷に近づき、渦電流は傷を迂回して流れます。

次に渦電流密度のアニメーションを示します。


図4.渦電流密度(実部)のアニメーション


図5.渦電流密度(虚部)のアニメーション

次に検出コイルで計算される起電力を図示します。

「傷なし」の場合はコイルが移動しても同じように渦電流が流れますので、起電力は一定になっています。一方、「傷あり」の場合は傷に近づくと渦電流の流れ方が変わり、起電力もその影響を受けていると考えられます。