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【技術情報】光台通信

その2.電場解析と電流分布解析について

PHOTO-VOLTでは電場解析と電流分布解析ができます。
解析対象、必要な解析結果によりこれらを使い分ける必要があります。
電場解析の基礎方程式は

です。

一方電流分布解析の基礎方程式は

です。

電場解析は基礎方程式からわかるように時間変化が無いような定常状態の解析です。
一方電流分布解析は非定常な状態(変位電流の影響がある場合等)や定常的に電荷が移動する(電流が流れる)ような場合を対象としています。

さらに進んで電気抵抗は小さいが導体(銅や鉄)ほどではない場合はどうするのだ!

抵抗の大きな導体の中に電荷を密度ρで置いた場合、
電荷は導体の中が同電位になるように電流として流れて四散します。

この電荷はどのくらいの時間で四散して流れてしまうのか大体の所を見積もると
電荷の連続の方程式

オームの法則

マクスウェルの方程式の1つ

及び

から一様な物質中で

が得られます。これを解くと

となります。

電荷密度が元の1/eになる時間(時定数)は

ここで真空の誘電率εは8.85E-12なので導体の電気伝導率をσ=1E7 S/m程度とすると

となり、一瞬で電荷は四散してしまいます。(本当はこれほど急激な電場の変化があると磁場、渦電流の効果が無視できない。 電子のドリフト速度が一定になるまで緩和時間が必要なためオームの法則を適用できない。)

このことを踏まえて上図のような導体としては抵抗が大きな物質がある系を考えると
時定数のオーダーは

程度となり、ナノ秒程度の時間変化を問題としない限りVmはVと同電位として良いと言えます。


※ フォトンニュース(No.26)に掲載された本記事中、数式の表記に誤りがありました。正しくは上記の通りです。ここに訂正し、お詫び申し上げます。