概 要
圧電体は力を電気に、または電気を力に変換する誘電体です。
今回は“力から電気へ”の変換に着目します。
本事例では円筒圧電体の上面に力を与え、それによって発生する電圧を解析します。
図1−1.に概要図を示します。
「力」と「電気」に関する方程式がそれぞれ異なるため、圧電素子を解析するにはそれらの方程式を連成します。
そのため、応力と電場の連成解析を行いました。
応力解析及び電場解析のソフトウェアはそれぞれPHOTO-ELAS及びPHOTO-VOLTです。
図1−1.概要図
解析条件
図2−1にメッシュ図を示します。
形状の対称性より1/4モデルとしました。
このメッシュを電場解析、応力解析で共通で使用します。
圧電体の上面を0[V]としています。
圧電体の上面に下方向に20[N]の力を与えます。
また、圧電体の下面には拘束条件を設定します。
図2−1.メッシュ図(全体)
図2−2.境界条件(VOLT)
図2−3.境界条件(ELAS)
●物性値
比誘電率:2000
ヤング率:5×1010
ポアソン比:0.35
圧電の材料特性はマトリクスで入力しました。
●解析モジュール: VOLT & ELAS
解析結果
図3−1.変位[m] コンター図
図3−2.ポテンシャル[V] コンター図
図3−2より、円筒上面に与えた力から変換された電圧値の計算結果は約52[V]となりました。