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歯車センサの磁場解析

概 要

磁性体でできた歯車に磁石を近づけると、歯車の位置や回転速度によって周囲の磁場の分布が変化します。
歯車センサでは、この磁場の変化を電気信号に変換することで、歯車の位置や回転速度を検出します。

今回の事例では、回転する歯車の付近に永久磁石を設置し、周囲の磁場の変化を解析します。
また、歯車の電気伝導率・回転速度・位置を変えたときに、磁場分布がどのように変化するかを確認します。

    解析タイプ : 3 次元非線形過渡磁界解析
    解析モジュール : PHOTO-EDDY

  

図1−1.概要図

解析条件

図2−1 にメッシュ分割図を示します。

  

図2−1.メッシュ分割図

歯車には歯数が 36 の SSAY1-36 を用いました。永久磁石は厚み 3 mm・一辺 9 mm、基板は厚み 1.5 mm・一辺 9 mmの直方体です。

図2−2 にセンサ近傍のメッシュ図を示します。枠で囲んだ OUT+・OUT- の要素の磁場に注目しました。OUT+ と OUT- の要素間の距離は 1.0 mm です。

   

図2−2.メッシュ分割図(センサ近傍)

歯車の山とセンサ間のギャップ長は 0.2 mm ・ 1.0 mm の 2 条件で解析しました。また、対称性より、1/4 モデルを用いて解析しました。XY 平面には対称境界条件を、ZX 平面には回転反周期境界条件を付与しました。歯車の回転を考慮するため、歯車側とセンサ側のメッシュは不連続となっています。境界条件としてスライドインターフェイスを設定することで、時間ごとに回転する歯車側の節点と動かないセンサ側の節点を関連付けることができます。

   

表2−1.物性値

   

図2−3.B-H 曲線 (S45C)

表2−1 に従って物性値を設定しました。歯車センサは磁場に影響を与えないものとして、空気と同じ物性値を設定しました。永久磁石の要素に 3×105 [A/m] の荷重磁化を設定しました。
回転速度: 330 Hz ・ 6700 Hz (ただし、歯車の歯と歯の間を 1 周期としています)

★参考文献
[1] 電気学会技術報告 第 855 号

解析結果

■解析結果1 電気伝導率の有無による磁束密度の比較 (低速)

  

図3-1-1.低速 電気伝導あり 磁束密度 [T]

  

図3-1-2.低速 電気伝導なし 磁束密度 [T]

■解析結果2 回転速度による磁束密度の比較

  

図3-2-1.低速 磁束密度 [T]

  

図3-2-2.高速 磁束密度 [T]

   ●高速回転する歯車のほうが、歯車の縁に沿った磁場が大きくなっています。
   ●高速回転する歯車のほうが、磁石から離れても渦電流による磁場が残っています。

■解析結果3 回転速度による電流密度の比較

  

図3-3-1 低速 電流密度 [A/m2]
時刻 : 4.55×10-3 [s]
最大電流密度 : 3.23×105 [A/m2]

  

図3-3-2 高速 電流密度 [A/m2]
時刻 : 2.24×10-4 [s]
最大電流密度 : 5.22×106 [A/m2]

   ●高速回転する歯車のほうが、渦電流が大きくなっています。

■解析結果4 磁石の位置による磁束密度の比較

  

図3-4-1 ギャップ 0.2 mm 磁束密度 [T]
最大磁束密度 : 0.789 [T]

  

図3-4-2 ギャップ 1.0 mm 磁束密度 [T]
最大磁束密度 : 0.632 [T]