概 要
アプリケータからの反射を抑える目的で、EHチューナが利用されています。
EHチューナは図1のように、H面分岐とE面分岐から構成され、主となる導波管に接続されています。この分岐した導波管の終端は短絡しています。分岐した導波管の長さLe、Lhを調節することにより、反射波を抑えることができます。
本事例では、EHチューナを使用することで、反射波を抑えることができるか、シミュレーションで検証します。
周波数:5GHz
解析モジュール:PHOTO-WAVEjω
解析条件
[解析1]アプリケータによる反射を想定して、主となる導波管の出口において、インピーダンスを不整合させ、反射波を生じさせます。
次に、[解析2]この導波管にEHチューナを挿入します。(初期値:Le=40mm、Lh=40mm)
それから、[解析3]反射波を抑えるように、LeとLhを調節します。
反射率はポートのS11(絶対値)を用いて評価します。
解析結果
[解析1]の結果
図2は、出口側の境界面においてインピーダンスを不整合させたときの電場(絶対値)のコンター図です。
反射率の計算結果は、S11(abs)=0.502です。この導波管にEHチューナを接続します。
[解析2]の結果
図3は、EHチューナを接続したときの、電場(絶対値)のコンター図です。
反射率の計算結果は、S11(abs)=0.735です。
初期値のLe=40mm、Lh=40mmの場合、反射率が大きくなっています。
次の解析3で、LeとLhを調整します。
[解析3]の結果
図4はLe=25.90mm、Lh=43.43mmとしたときの電場(絶対値)のコンター図です。
このときの反射率の計算結果は、S11(abs)=0.0096です。
このように、Le、Lhを調整することにより、反射率を50%(解析1)から0.96%(解析3)まで抑えられることが確認できました。