概要
以下のような導波管内を進行する電磁波について、通常のメッシュ(以降連続メッシュと表記)と連続していないメッシュ(以降非連続メッシュと表記)にスライドインタフェースを適用した場合の解析を行い双方を比較しました。
解析対象の境界は完全導体で囲まれているものとし、下部ポート1から入力された電場により形成される導波管内部の電磁場を計算しました。なお、電場入力は「ポート機能」を使用しております。
図 1. 解析対象
まず以下のような連続メッシュを作成しました。
図2. 連続メッシュ(1/2断面)
※拘束をかけない境界面(X-Z面)には、有限要素法では自動的に反対称境界条件が適用されます。この場合、X 方向とZ 方向の磁場成分は存在せず、磁場がY 方向を向きます。
このような境界を磁気壁と呼びます。
※+X方向の終端には無反射境界条件を設定しています。
次に以下のような非連続メッシュを作成しました。
図 3. 非連続メッシュ図(1/2断面)
図 4. 非連続メッシュ 一部拡大
通常、有限要素法では隣り合う要素は節点を共有する必要があります。この制限により、これまではメッシュ作製が煩雑になることがありました。スライドインタフェースの機能を用いれば、隣り合う要素が節点を共有していなくとも一方のメッシュが他方のメッシュを補間することにより解析が可能になります。
これによりモデル作製にかかる手間を大幅に減らすことができます。
図 5. スライドインタフェース 詳細
図 6. 非連続メッシュ 全体図
使用ソフトウェア:PHOTO-WAVEjω
解析条件
物性条件(空気) | 比誘電率(実部) | 1 | 比誘電率(虚部) | 0 |
---|---|---|---|---|
比透磁率(実部) | 1 | 比透磁率(虚部) | 0 | |
解析条件 | 周波数 200MHz | |||
入力条件 | ポート1にTEM波を入力 | |||
境界条件 | ポート2に無反射境界条件を設定 |
解析結果
図 7. 連続メッシュ 合成波の電場[V/m]
図 8. 非連続メッシュ 合成波の電場[V/m]