解析の概要
実績30年以上の国産自社開発ソフトPHOTO-Seriesを用い、移動する円筒導体における誘導加熱現象をシミュレーションした事例です。周波数応答磁場解析ソフトPHOTO-EDDYjωと熱伝導解析ソフトPHOTO-THERMOを連成させ、移動に伴う渦電流の変化と発熱分布を精密に計算しています。
本ソフトは、移動速度の変化が熱分布に与える影響の比較や、材料の温度依存性を考慮した高度な連成解析にも対応しており、実機試験では困難な詳細な条件検討をコンピュータ上で柔軟に行うことが可能です。
円筒導体を移動させ、誘導加熱によって、導体全体を加熱する事例です。
交流電源に接続されたコイルの中心を通過することにより、導体表面に渦電流が流れ、発熱します。表面から温度が上昇し、内部に熱が伝導します。
このモデルは軸対称形状のため、2次元軸対称解析で解析可能です。従って、プレート要素を使用します。
円筒導体内部の発熱分布・温度分布を把握するには有限要素法による磁場-熱連成解析が有効です。

図1.円筒導体の誘導加熱解析の概要図
解析モジュール : PHOTO – EDDYjω & THERMO
解析条件
周波数を1[kHz]として、コイルに電流密度を設定しました。
特に、今回の事例では、被加熱体の円筒導体を移動させるため、並進速度を設定しました。
電流密度や並進速度の設定値を変更することにより、均一に加熱するための最適的な条件を探すことができます。
解析結果
渦電流による発熱密度分布および、温度分布の結果を、それぞれ図2および図3に示します。
表皮効果に起因する表面への発熱密度の集中と、導体の移動に伴う動的な発熱挙動をPHOTO-EDDYjωおよびPHOTO-THERMOで捉えています。これにより、移動速度に応じた加熱ムラの予測や最適な加熱条件の検討が可能です。
図2.結果図 発熱密度分布[W/m^3]
図3.温度分布アニメーション[度]
誘導加熱の基礎原理については、[誘導加熱の磁界シミュレーション]をご覧ください。
本事例のような移動体の解析や、複雑な形状の誘導加熱シミュレーションについても、30年以上の実績がある(株)フォトンの技術者が最適な解析手法をご提案いたします。お客様の課題に合わせた受託解析も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
